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Matsuo

【OK MUSIC】3月20日开始配布「フリーマガジンokmusic UP's Vol.127」

表紙:OLDCODEX / nano.RIPE

インタビュー掲載:
武道館の声援で、より自分たちと向き合うことにギアが入った

2月に初の日本武道館公演を成功させ勢いに乗るOLDCODEXが、ミニアルバム『pledge』をリリース。今まで以上にTa_2(Vo)が作曲に携わり、YORKE.(Painter)は全作詞に加え作曲、ジャケットアートワークも手がける。ふたりの意志がより一層隅々まで行き届いた作品になった。

取材:榑林史章 / Vol.127 Interview /2015.03.20

言い訳をせずに自分を追い込んでそれを前向きなパワーに換えていった

──武道館の終演後に、今作『pledge』の1曲目「Eyes in chase」のMVを初出ししていましたけど。

YORKE.俺ら、ステージの下で隠れながら観ていたんですよ。どんな反応するかな?って。みんなが“おお〜!”って沸き上がってくれて、それはすごく嬉しかった。

Ta_2それで俺らも、“おお〜!”って(笑)。

──そこで、今作『pledge』の手応えも感じた?

Ta_2俺はまだ絶賛制作中モードだったから、そこまでの感覚はなかったかな。「Eyes in chase」は武道館の時点から新たに歌を録り直したところもあって、「physical」に至っては2日後には完全に録り直してた。

──それは武道館でファンの声援に対する感謝の気持ちが沸き起こって、もっと!という気持ちに火を付けたみたいな?

Ta_2いや、武道館で何か特別な感慨があったとか、そういう感覚ではないんだよね。実際に曲を作っていたのは去年で、去年は本当にいろいろなことがあったんだけど…。「Eyes in chase」は俺のこととか、YORKE.と俺の間に起きたことを振り返りながら、じゃあ今の俺は何が言いたいのか、何をメロディーにしたいのか、それらと向き合って考えて作った曲なんです。だから、俺たちふたりのミニマムな世界観を歌っていて。武道館で「Eyes in chase」のMVを観てもらった時は、それを認めてもらえた気がして、じゃあ自分たちというものにより向き合おうって、その時にギアが入った感じなんだよね。

YORKE.武道館で反応をもらうまでは、多少なりとも不安があった。でも、反応は思ったより温かかったから、じゃあもっとやってやれ!って感覚になれた。

──“pledge”というタイトルは“約束をする”とか“宣言する”とかの意味ですが、これはファンに向けたものではないのですか?

YORKE.うん、この作品自体に向かってる感じかな。例えば俺は歌詞とパッケージ、Ta_2ならマイクに向かって“pledge”していった感覚…初期衝動のように。それがしっかりできていれば、外のことは意識しなくても自然と広がっていくと思ったし。目の前にあるものと向き合って、言い訳をせずに自分を追い込んで、それを前向きなパワーに換えていった。

Ta_2だから、武道館での声援が今回の作品と何か関係があるとするなら…もちろん、何かしらの影響は受けているんだけど。明確に言えるのは、自分たちが“pledge”するのは…“ここ”だと踏み込むことができたのは、武道館でのファンの声援があったからということでしょうね。

──なるほど。感謝の気持ちはもちろんあるんだけど、それに媚びるようなことをしないのがOLDCODEXの良いところで。ファンもそれを知っていますからね。

YORKE.本当は、媚びたいんだけど(笑)。

──えっ、媚びたいの?

YORKE.でも、媚び方が分からない(笑)。だから、今まで通りの俺たちを見てくれって感じで。もちろん待ってくれているオーディエンスを楽しませようという気持ちはあるけど、そのやり方の種類が違うんだよね。でも、これはこれで良いんだと思わせてくれたのが、武道館だったよ。

──そうして完成したミニアルバム『pledge』ですが、6曲中4曲をTa_2さんが作曲していることが大きいですね。

Ta_2去年活動している中で、どんどん自分の中で“もっとこういうことができるんじゃないか?”って、やりたいことが明確化されていって。何だかすごく曲のイメージが沸いたんです。今回収録したのは4曲ですけど、実際はもっと今まで以上にたくさん作っていたし。それにミニアルバムって、例えば以前の『FLOWER』ではポートフォリオが付いたり、打ち込みの楽曲を作ったり、すごく実験できる場所という感覚があったんです。だから、今回もパッケージも含めて攻めたものを作りたいと思って。極端に言うと、アートブックみたいなものにしたかった。

YORKE.今回は、Ta_2がクリエイティブな面でもどんどん参加してくれたので、一緒に作ってる感覚がより強かった。俺の中で去年感じていたのは、光と影みたいなもので…つまり、すごく華やかに持ち上げられることが多かった反面、影の部分もすごく色濃くなっていることを感じていて。そこで、もう一回原点に戻って、どうしてロックをやってるのか?ということも考えたし。だから、収録曲を決める時は、すごくナチュラルに決まっていったんだ。

Ta_2改めて、今のOLDCODEXは何を思っているのか?ってね。実際に去年曲を作っている時も、俺たち的にいろいろあったので、その気持ちが全て曲に込められています。自分の感じた喜びや怒り、悲しみ、切なさなど。それこそ恋に似たような気持ちもあったりとか。そういったテーマを一曲一曲に必ず持たせながら作っていきましたね。

──4曲目の「reel」はかけ声をかけるところがたくさんあって、ライヴで盛り上がりそうですね。

YORKE.サビは俺がメインを歌っているっていう(笑)。それはTa_2からのアイデアだったんだけど、俺は最初歌う気はなくて。でも、トライするだけしてみようって歌ったら、結果本当にカッコ良くなった。そういうレコーディング現場でのマジックみたいなものも結構ありましたね。

Ta_2俺らヴォーカルとペインターと名乗っておきながら、ペインターが絵を描かずに歌っているっていう(笑)。でも、肩書きは“OLDCODEX”でいいんですよ。もしかしたら、今後は俺が楽器を演奏することもあり得るわけだし。別にそう決めているわけじゃないけど、そういうスタンスに向けての第一歩というか、踏み込みが始まった作品だと言えます。何かの境界線を越えた感覚がありましたね。

──「Bitter Aspiration」はストレートなノリの良いナンバーで、特にギターリフが印象的でした。

Ta_2これは“全員フォワード”がテーマ。全員が“前に出すぎだろ!”ってくらいの感覚で作りました。アレンジャーのebaに、よりバンドとしてのイメージを持って頑張ってもらったおかげで、最高のものが出来上がったと思う。

YORKE.歌詞は俺がモバイルファンクラブでやっているラジオ番組で、結構深刻なメッセージをくれる奴がいて、そいつからのメールがモチーフになってる。家族の愛し方を分からなかったけど、数年ぶりにふと涙が流れたというメールだったんだけどさ。本当にたくさん辛いことがあった子だけど、乗り越えて前に進んでいることを感じたし、それはきっと、俺にもみんなにも重ねられる部分があると思ったんだよね。なので、それをOLDCODEXの世界観に寄せて…最終的にはもう少し大きな雰囲気のものになりましたね。

1stアルバムを作っていた時のテンションに似ていた

──「seequret」はバラードで、すごく映像的な感覚がある曲だと思いました。デビュー時のシングル「〔Blue〕」の感覚に少し似ている感じもありました。

Ta_2実際、1stアルバムの『OLDCODEX』を作っていた時のテンションに似てましたね。制作の進め方含めて、全体にそういう空気が流れていて。これは、俺の個人的な感想なんだけど。

YORKE.でも、確かに俺も『hidemind』の頃のような雰囲気をイメージしていたかも。で、「seequret」に関しては、実は夢で見た曲なんです。うたた寝していたら、サビが歌詞も付いた状態で夢に出てきて、パッと目が覚めて、忘れないうちにと思ってレコーダーに口笛で録ったんだ。

Ta_2何とも言えない空気感がいいよね。YORKE.の作る曲っていつも俺の中で、どこか森とか木があるイメージなんです。「How Affection」もそうだったし、「Abendsonne」の時は、行ったことないけどアフリカのサバンナの夕焼けだったし。今回は木漏れ日が入ってくるような森で、動物がいる…みたいな、西洋的な幻想的なものが頭から離れなくて。その場所にどうやって行こうか?みたいな感覚で歌った。

──「seequret」ですが、タイトルの綴りはどうしてこういうふうに?

YORKE.“見る”の“see”と“sequence”、そして”secret”という言葉を合わせているんです。“sequence”は対訳で“配列”と訳したんだけど、英語ではもう少し含みを持たせた意味で使っていて。“q”という文字が入ったことで、よりシークレット感が出ると思ったし。

Ta_2俺、“seequret”ってロゴが入ったTシャツが欲しい(笑)。

──今回の歌詞はいつも以上に英語と日本語のバランスが絶妙になっていると思いました。

YORKE.今回は基本的に全部日本語にしてやろうかってくらいの気持ちだったんです。でも、やっぱりロックのフロウでしか表現できないものもあって。とは言え、そんなに難しくならないように、耳に入ってきやすいようにと思いました。英語で言うとラストの「Lost before」は歌詞も好きだけど、タイトルがめっちゃ気に入っていて。“Lost before”ってアルバムのタイトルでもカッコ良いし、バンド名にしても絶対にカッコ良い。意味としては、日本語の対訳では“喪失感”と訳しているけど、英語的には“Lost”を“Before”するって意味が通じなくて…でも、これがしっくりきたんだよね。浮かんだ時はキタ!って感覚だったよ。

──ちなみに、Ta_2さんがアートブックみたいにと話していましたが、実際パッケージにはどういったこだわりが?

Ta_2これは実物を手に取って見てほしい。

YORKE.紙ジャケで…日本の規格じゃないから大きさが少し違うんだけど。手触りも違うと思います。

Ta_2俺がジャケットオタクだから、こうしたい!っていろいろ出したんです。

YORKE.封入チラシまでデザインに関わっていて。

──そこまでやっているんですか!?

YORKE.ああいうのって、たいてい素っ気ないチラシじゃないですか。そういうのがずっとすごく嫌だったんです。スタッフにはいろいろ苦労もかけたけど、そこまでやってこその“pledge”だと思ったんだ。

──隅から隅まで“pledge”した作品ということで。次はツアーで、ファンに向けて直接“pledge”するわけですね。

YORKE.実は次のツアーでは、タイトルのロゴをふたりで描いているんですよ。“ONE PLEDGES”というツアータイトルなんだけど、“ONE”と“PLEDGES”の最後に付く“S”をTa_2に描いてもらっていて。レコーディングの作業の合間を縫って、何パターンもひたすら“ONE”と“S”を描いてもらって、それに合わせて俺が“PLEDGE”を描いた。これも「reel」のサビで、俺が歌ったのと同じですね。

Ta_2そうそう。マイクがペンになっただけ。

YORKE.音楽もビジュアルも、ふたりでできることはなるべくやろうと思って。だから、そのうち俺がソロで歌う曲とか、ビジュアルを全てTa_2が手がけるとか、そういうこともあり得ると思うくらいに可能性が広がった感じがしました。

──“ONE”なのに複数形の“S”が付くわけですが、そういう部分では“ONE PREDGES”にどういう意味を込めてるのですか?

YORKE.ひとりひとりではひとつの“PLEDGE”だけど、それがたくさん集まって、複数形の“PLEDGES”になるというイメージ。だから、“ONE”なのに“S”が付くのはおかしいとか、間違ってるよとか、指摘されても困るんだけどね(笑)。

──何かひと言で表せるような意味はないんですか?

YORKE.そこまでは考えてなかったけど…みんなひとりじゃないぜ!みたいな、投げかけている感じかな〜。

Ta_2 それって、イコール・ライヴでもあるわけだし。

YORKE. 俺らもみんなも、ライヴに来るまではひとりだけど、結果複数で終わる前向きな感じ。“ONE PLEDGES=未来への希望”という感じでとらえてもらえればいいかな。


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