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Matsuo

2018.04.03

劇場版『SERVAMP-サーヴァンプ-』-Alice in the Garden-主題歌「One Side」配信スタート!OLDCODEXインタビュー


TVアニメ『SERVAMP-サーヴァンプ-』が放送されたのが2016年のこと。それから2年近い時を経て、劇場版「SERVAMP-サーヴァンプ-」-Alice in the Garden-がこの4月に公開される。そんな劇場版の主題歌はTV版でアグレッシヴでラウドなオープニング曲「Deal with」を歌ったOLDCODEXが続投!劇場版主題歌となった「One Side」について、Ta_2とYORKE.に話を聞いた。

 


――先日は“リスアニ!LIVE 2018”へのご出演、ありがとうございました!アニメ音楽のフェスは久々のご出演だったかと思いますが、いかがでしたか?

 

Ta_2 俺ら的には(前回の出演から)期間が空いていたので、どうなのかなと思っていたんです。昨今、アニメはいろいろな作品があって本数も多いから、どこで誰が歌っているというのを認識するのもすごく難しいんじゃないかな、とも思っていて。だから、俺らのことを知らない人も多いだろうなとも思っていたので、新しい気持ちで臨みましたね。自分たちがボーダレスにいろいろなフィールドで活動をしてきたことで、また還元できるものがあればいいなという気持ちもあって。本当に新鮮な気持ちで、もう一度、観に来ているお客さんたちとキャッチボールができたらいいな、という想いではいましたね。実際、すごく暖かく迎え入れてもらえて、素直にうれしいな、というのはありました。去年は、(フロアが)ウンともスンとも動かなかったりとか、どうにもならないなと思うようなライブもいっぱい経験していたので、そこから学んだこともたくさんありました。一緒にライブをやったHoobastankやcoldrainなど、多くのバンドと交流することの多かった1年を経ての“リスアニ!LIVE”だったので、改めて自分たちの楽曲やアートを提示できたのかなと思いましたね。

 


 

YORKE. “リスアニ!LIVE”への出演は2014年ぶりだったと思うんですけど、いろいろなフェスにその間にも出演してきた中でも印象が良かったんですよ、最初に出たときから。その後にも出たかったんだけど、ちょうど自分たちの武道館ライブと時期が近かったりもしたことでなかなか出演のタイミングに恵まれなくて、今回ようやく。持ち時間としても、自分たちを表現するだけの時間を与えてくれるのもありがたいんですよ。1曲2曲タイアップの曲をやる、という出演だとすごく難しいんですよね、僕は絵を描くので。そこでどうドラマを見せるか、というのが課題でもあるんですが、“リスアニ!LIVE”も持ち時間をしっかりもらえたことで、いい形で出来たと思いますし、普段は見ることのないペンライトの光がものすごくきれいだなって。僕はステージで絵を描いているんだけど、客席から絵を見せてもらっているような景色ですごく新鮮だった。あとはアニメのタイアップで主題歌をやらせてもらっていて、それを聴いてくれている人たちの中でライブをやらせてもらっていることは幸せなことだな、と5年を経たことで感じられましたね。

 


 

Ta_2 あとは発想も自分の中で広がったな、というのがあったんです。ペンライトでこうしてくれたらうれしいな、ということをみんなが実際に「やるやる!」って乗っかってくれたり。「Growth Arrow」(TVアニメ『Butlers~千年百年物語~』OP主題歌)をやったときには、まだリリース前で色のついていない曲だったから、「できればペンライトを消して拳で応えてほしい」って言ったら、本当にそれで応えてくれたし。「Lantana」(TVアニメ『黒子のバスケ』第3期第2クールED主題歌)では会場が七色に染まって。

 


 

YORKE. そうだった!七色だった!

 


 

Ta_2 なかなかないと思うんですよ。普通はカラーって統一されるものだから。それがみんなが思い思いの色を灯してくれて。「七色の花」というテーマもあるから、好きな色にしてほしいって伝えたら、みんなが各々の色を付けてくれて。あれは結構、感動した。俺たちはペンライトをつけないでライブをやっているけど、こういうフィールドに来たときにはほかのアーティストで使うであろうペンライトを持っているからこそ、それを俺ら色に染めた状態でみんなと一緒にライブができ来た、と感じられたのはあの「Lantana」の瞬間だったね。

 


 

YORKE. そうだね。照明みたいだった。それと「楽しもう」というお客さんのマンパワーみたいなものはどのフィールドも一緒だな、ということを改めて感じました。

 


 

――そして今回の新曲ですが、劇場版『SERVAMP-サーヴァンプ-』-Alice in the Garden-の主題歌となる「One Side」。約2年ぶりの『サーヴァンプ』とのタッグとなりますが、再びお声がかかったときのご心境は?

 


 

Ta_2 素直にうれしかったですね。TVアニメ版のOP曲「Deal with」に関しては、固定概念みたいなものを一回ブチ壊したいなって思って。アニメの主題歌としての、90秒のドラマや詰め込み具合といったひな形を。もちろんそれが王道だし、求められているものだということもわかっているんですけど、でも『サーヴァンプ』の世界観って、人ではないものが日常に入って来ていて、自分も知らずにその日常ではないものに染まっていく、というものがある。しかもみんな力を持っているけれど暴走しちゃう、みたいなものが多かったので、そこに注目して、「きれいな世界じゃないんだよ」っていうのをちゃんと出したかったんですね。それを「Deal with」でやらせてもらったんですけど、いかんせん、弾け過ぎたなっていう意見も聞いていたので、てっきり今回の劇場版では話は来ないかな、と思っていたんです。でも制作サイドの皆さんから、無骨さやキャラクターに流れている骨っぽさみたいなところを表現してほしいというのをお話ししていただいて。それがすごくうれしかったです。以前のTVシリーズのときにできなかったことや、『サーヴァンプ』だからこそできた「Deal with」というのも併せて、劇場版の曲にブチ込みたいという想いもあったし、ちょうど「Growth Arrow」の次の作品でもあって。「Growth Arrow」は自分たちを一度ソリッドにして、シンプルなところに立ち戻る、というテーマがあったので、その次にどういう曲が来るのか、となったときに、今までの自分たちというテクニカルな部分プラス荒々しさ、スクリームバンドであることの自負も楽曲に込めたいと。それが全部、一致したんですね。

 


 

――『サーヴァンプ』側の求めているものとOLDCODEXがこのタイミングで出したいもの。

 


 

Ta_2 それが繋がった、ということで曲を作る中でもテーマがしっかりした状態で始まっていったなと思います。いただいた資料もあるし、今回のお話もわかっていたんだけど、それを超えた楽曲にしたいなというところはあって、元々YORKE.にも、どういうテーマにしたい、という話はしていたんです。今回は異物が入って来て感染する、みたいな。吸血鬼は噛むことによってサーヴァンプの下僕を増やすこともできるので、無自覚のうちに侵されてしまっていく自分の領域みたいなものを表現したいっていうことも話していたので、そういうところに重きをおいた曲になりましたね。

 


 

――歌詞の部分ではいかがでしたか?

 


 

YORKE.  最初にTa_2がくれたイメージを大切にスタートしました。いつもそうなんですけど、それを僕が歌詞にして、ディスカッションして、というふうに作っていくんだけど、今回は共有している部分が結構、強かったのでパッと出来た感じでした。この「One Side」に関しては、(途中のディスカッションを経ずに)一発だったかな。今回の、何よりいちばんの強みはTa_2が声優としても関わっている作品ということで。それはOLDCODEXには強くて。作品に対する愛情みたいなものを、ある意味(Ta_2としての)One Side、(椿を演じる鈴木達央としての)One Sideで持っているから。声優さんとしてはこういう気持ちでやっている、OLDCODEXで向き合うときはこういう気持ちでいる、という住み分けがちゃんとできている。僕も(OLDCODEXとしての)One Sideで共に戦っているから、そこでどう決着をつけていくか、というやりとりが、この作品に関してはしっかりできていたのは大きいですね。

 


 

――「One Side」の歌詞を描くうえでのテーマというと?

 


 

YORKE. 表と裏、みたいな部分ですね。それはどんな人にもある。聴いている人やアニメを観ている人、もちろんアニメを作っている人も、俺たちもそう。ひとつの面があれば反対もある、というところをすごく想像していました。そんな中で世の中では悪だと言われるものに寄り添ったり、善だとされることを疑ってみる。その心情を想像しながら、曲の中に入っていったという感じで書きました。自分でも過去の後悔に、今寄り添ってみたり。うまくいっているな、ということを疑ってみたり。そうしていく中で言葉が生まれてきました。

 


 

――言葉からも絵が浮かんでくるような歌詞ですよね。

 


 

YORKE. 情景が浮かんで来るように、楽曲の中でドラマを見せたいなというのはありました。「Deal with」であんなに振り切って、Ta_2が暴走した、という雰囲気ではあったけど、俺自身もノっていたし、あの曲でアニメを引っぱっていくんだ、と肩に力が入ったまま、本当にそのままの状態でやったので、歌詞も結構強い言葉だったんですね。それを『サーヴァンプ』に教えてもらったなというのがあるんです。俺自身も半分咬まれたような感じでもあったので、その力が今度は抜けた感じで、意外と素直に向き合って表現をしたことで生まれた歌詞ですね。

 


 

――この曲、劇場で聴くのが楽しみです。

 


 

Ta_2 個人的な小さな願いとしては、「One Side」を聴きながら映画を観終わった人が「もっと見たい」って思ってもらいたいんですよね。この映画をもって、一度『サーヴァンプ』に区切りがついてしまう。でもそれは惜しいなって思うからこそ、「また見たい」と思ってもらえるような、そういう背中の押し方をしたい、というのは隠れテーマとしてあるんです。制作側からも「エンディングっぽくしなくてもいいです」って言われていたんです。「その先が見えるエンディングにしてほしいです」っていうオーダーもあったので、そこは大事にしました。

 


 

――エンディングというよりも、次へと繋がる感覚はありますね。心躍る一曲です。

 


 

Ta_2 もう亡くなってしまった飯田馬之助さん(アニメーション監督)に昔、「エンディングって次の話のオープニングなんだよ」って言っていただいたことがあって。その話がすげぇ忘れられなくて、心の中にずっとあるんです。次のオープニングなんだ。カッコいいな。なんて理にかなったイメージなんだろうなって。その当時は個人名義で歌っていたんですが「そういうイメージで捉えているよ」って言っていただいたときにすごくうれしかったことを今も覚えていて。それはエンディングを作るときには必ず思い返しています。

 


 

――その「One Side」ですが、今回は配信限定シングルとしてリリースされます。ハイレゾでの配信もありますね。

 


 

Ta_2 わかりやすいところで言うと、ハイレゾだとドラムの音が違うなって感じると思います。あとはギターのフレーズや倍音、それにベースのロウハイのあたりの聴こえも良くなるので、ハイレゾで聴かれる方はそのあたりを楽しんでもらいたいですね。あとうちのバンドはミックスで各楽器の音をデカめに録っていて、それぞれの音が前に出るように、ミックスのハードさにもこだわっているので、フロントマンとして、作曲者としての顔ではなく、俺のサウンドプロデューサーとしての顔も感じていただけると思います。

 


 

YORKE. もちろんハイレゾは俺たちがスタジオで聴いている環境にも近いんですが、環境は様々。聴く人の選択肢がすごく多いので。レトロなものが好きな人は解像度の低い音が好きでしょうし。ハイレゾに限らず、それぞれのニーズに合った方法で楽しんでもらいたいですね。ただ、ハイレゾで聴こう、という人は今、Ta_2が言っていたように、ミックスによる音の違いを楽しめると思いますね。

 


 

――そんなおふたりが思う『SERVAMP-サーヴァンプ-』の魅力というとなんでしょうか。

 


 

Ta_2 キャラでしょう。キャラクターがすごく魅力的だなと思っていて。あと口癖だったり、よく言うセリフもたくさんあるので、キャラクターに対して没入するきっかけも多いんですよ。それがあの作品のいちばんの根底にあるものなのかなとは思います。もちろん話であったり、どんな事柄がこれから起こっていくんだろうっていうのはあるんですけど。わからない事象は未だに多いんですけど、その中でも彼らが楽し気に映る。フィルムの中で縦横無尽に動く様が魅力的だなと思います。

 


 

YORKE. VAMPS主催のイベント“HELLOWEEN PARTY”でクロになったんですよ。Twitterを参照してもらいたいんですけど、あの服を着て、目も紅くして、完コピしたんです。椿の姿になったTa_2と一緒に。それが意外と評判が良くて、モテのきっかけも作ってくれたかな、というのもありつつ(笑)。コスプレしてみて感じたのは、ファッションもすごくいいなって。それにキャラクターの個性もしっかり出来ているなって。それが魅力だなと思っているので、劇場で見るのが楽しみです。あとね、俺ね、クロの格好して『SERVAMP-サーヴァンプ-』のイベントに出なきゃ!って思った。

 


 

Ta_2 やりたい!それはひとつの目標。フルバンドでコスプレして。去年一年、とにかくライブが多かったんです。そのライブをやっていく中で、自分の中で足並みがそろってきた感がすごくあって。今やいろいろなバンドのところにお邪魔させてもらったり、お話させてもらう機会もあるんですが、いい意味でボーカリストとして見てもらえているし、フロントマンとしてお話をさせてもらえて、これまで声優という武器に対して頑なになっていたけどそれがやっと許せるというか。各々がちゃんとしっかりした立ち位置として居場所がある。演者としての立ち位置もあるし、バンドのフロントマンとしての立ち位置もあるな、両方がイコールになったなと感じられたんです。どちらかが秀でていたら、色眼鏡でしか見てもらえないので、どうせ色眼鏡で見られるなら両方を均等な位置まで持って行こうって思っていたんです。それがしっかりと作り上げることが出来たとようやく思えたので、今はYORKE.とアニメのコスプレをしながら本気でライブをするなんて、カッコいいと思えるんです。自分たちの骨になっている荒々しい音楽はいつだって出せるので。自分たちの音楽がしっかりと地に足の着いたものになった、だから今なら面白さを出せるなって思えるので、そういった夢を抱くこともできるようになりましたね。

 


 

――では最後に、映画と、そして「One Side」を楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします。

 


 

Ta_2 この記事を見て、楽曲に興味を持ってもらって、聴いてもらうのがいちばんです。そこに尽きます。もちろん『SERVAMP-サーヴァンプ-』という作品と共に楽しんでもらうのは最上級の僕らへのご褒美ですし、これを読んで劇場に足を運んでもらって、こういう作品なんだ、こういう曲なんだって楽しんでもらえるのがうれしいです。アニメを離れたところでも、この曲が聴いてくれた人の思い出の曲になってくれたら幸せですし、曲を聴いて、ライブへの扉を開いてくれたら、それは本当にうれしいですね。楽曲と共になった思い出を一緒に作れるのがライブだと思っているので、そういう意味でも思い出の一曲になったら最高だなと思います。

 


 

YORKE. 今回は一曲だけのリリース。それもデジタル・シングルというのはOLDCODEXにとっては初めてで。これまでパッケージにこだわってきたので、そういう意味でも削ぎ落とした一曲になっていますし、よりタイアップを意識した楽曲になっているから間口も広いんです。でも新しいチャレンジを俺たちは前向きに捉えてやってきたから、それが届くといいなぁ。それから『SERVAMP-サーヴァンプ-』もOLDCODEXも両方好きになってもらえたらうれしいなと思います。

 


Interview & Text By えびさわなち

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